定期おトク便の購買パターンを解明!Amazon Marketing Cloudで最適戦略を立てる

Amazon Marketing Cloud

Amazonの「定期おトク便」は、顧客が特定の商品を定期的に購入できる便利なサブスクリプションサービスです。この仕組みにより、販売者にとってはリピーターを増やし、安定した売上を確保する手段となります。しかし、すべての商品が定期便に適しているわけではなく、適切な分析を行わなければ、効果が限定的になってしまうこともあります。そのため、定期おトク便のパフォーマンスを詳細に分析し、最適なマーケティング戦略を立案することが重要です。

Amazon Marketing Cloud(AMC)を活用することで、定期おトク便の購買データを詳細に分析し、顧客の購買行動を深く理解することが可能になります。定期便はいつでも解約できるため、1回もリピートされない場合は単なる値引き提供になってしまいます。そのため、リピート率を把握し、適切な施策を講じることが不可欠です。本記事では、AMCを活用した定期おトク便の分析方法や、データを基にした最適な戦略について解説します。

定期おトク便とは

Amazon定期おトク便は、日用品や食品、化粧品などの生活必需品を、あらかじめ決めた周期で自動的にお届けするサービスです。定期的に購入する商品を手間なく管理できる点が大きな魅力で、買い忘れや急な在庫切れの心配を解消してくれます。利用者は、商品の配送間隔や数量を自由に設定できるため、ライフスタイルに合わせた最適なサービス利用が可能です。さらに、定期おトク便では通常よりもお得な割引が適用されるほか、多くの商品で送料無料の恩恵を受けることができます。初めて利用する場合も、Amazonのウェブサイトや専用アプリで簡単に手続きが完了し、後からの変更や解約もオンラインでスムーズに行えます。

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定期おトク便の分析方法

AMCのPaid Featuresで提供される有料データセット「Amazon Insights」を導入することで、定期便経由の購買データを詳細に分析できるようになります。これにより、定期便を利用する顧客の購買行動をより深く理解し、マーケティング施策の最適化に役立てることが可能です。

Amazon Insightsについてはこちらの記事もご覧ください。

Amazon Insightsに含まれる「Amazon Flexible Shopping Insights」を活用すると、定期便を含むすべての購買データが記録されたconversions_allテーブルを利用できます。このテーブルでは、定期おトク便の購買に関して、一連の購買であることを示す「サブスクリプションID」を用いてデータを確認できます。

conversions_allの定期便関連データのイメージ

user_idconversion_idevent_subtypesns_subscription_idtotal_product_sales
user1111snsSubscriptionid111111
user1222firstSnSOrderid1111113000
user1333repeatSnSOrderid1111113000
user1444repeatSnSOrderid1111113000

例えば、conversions_allテーブルを分析することで、定期便の継続率や解約率、リピート購入の傾向などを把握できます。これにより、定期便を活用した販促施策の効果を測定し、より効果的なプロモーション戦略を立てることができます。AMCには直近13か月分のデータしか反映されないので、長期的なリピートトレンドを分析することは困難です。そのためF1離脱率などの短期的なデータ把握が有効です。

F1離脱率分析

定期便の具体的な分析方法の一つとして「F1離脱率」があります。F1離脱率とは、定期便経由の初回購入後、2回目の購入に至らなかった注文の割合を示す指標です。定期便はいつでも解約可能であるため、F1離脱が発生すると初回購入割引のみの提供に留まり、利益に結びつきにくくなります。そのため、商品やカテゴリーごとにF1離脱率を可視化し、離脱率の高い商品を特定してプロモーション方法の見直しを図ることが重要です。

上記のグラフでは、横軸にF1離脱率、縦軸に定期おトク便登録数をプロットしています。F1離脱率が高く、なおかつ定期おトク便登録数が多い商品は、無駄なプロモーション費が発生している可能性があるため、定期おトク便の適用を見直す必要があります。

例えば、次のような商品は一般的にF1離脱率が高くなる傾向があります。

1. 消費サイクルが不安定な商品
一定のペースで消費されない商品は、顧客が次回の購入をキャンセルしやすくなります。
例:趣味用品や季節限定商品

2. 使用頻度が低い商品
使用頻度が少なく、定期的な補充が不要な商品は、定期便としての魅力が低くなります。
例:高額な耐久消費財や長期間使用できる商品

3. 代替品への切り替えが容易な商品
競争が激しい市場では、顧客が他ブランドに移行しやすく、定期便の継続率が低くなることがあります。
例:シャンプーやスキンケア商品などのコモディティ品

こうしたASINについては、定期便ではなく単品購入の促進や、クーポン・広告施策など別のプロモーション手法を検討することが有効です。

まとめ

定期おトク便は、消費者にとって便利かつお得な注文方法であり、出品者にとっても売上の安定化に寄与する有効なプロモーション手段です。しかし、定期お特便はいつでも解約できるため、初回購入のみでリピートが行われない場合、単なる値引きになってしまいます。そこで、定期おトク便のF1離脱率を把握し、相性の良い商品のみに設定することで、定期おトク便にかかるプロモーション費の最適化が可能となります。AMCおよびAmazon Insightsを導入済みの場合は、ぜひ分析してみてください。

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