こんにちは、Ubun BASEチームです!いつも当ブログをご覧いただき、ありがとうございます。今回は、Amazon Marketing Cloud(AMC)のオーディエンス作成機能を活用したスポンサー広告配信についてご紹介します。この革新的な機能により、広告主の皆さまは、より正確でターゲットに合わせたオーディエンスの広告配信が可能になります。広告運用の精度を高め、効率的なキャンペーンを実現するAMCの新たな可能性を詳しく解説します。
このブログでは、スポンサー広告でAMCオーディエンスをどのように活用できるのか、その具体的な設定方法やユースケース、そして実際の成功事例を取り上げます。これを通じて、より効果的な広告戦略を構築するためのヒントをお届けします。ぜひ最後までご覧ください!
目次
スポンサープロダクト / スポンサーブランド
スポンサープロダクトおよびスポンサーブランドでは、AMCオーディエンスを入札額調整の要素として活用できます。ただし、これはオーディエンスに対するターゲティングではない点に注意が必要です。広告の配信先のユーザーがAMCから連携されたオーディエンスに属している場合、入札金額を設定した割合で強化し、広告の掲載順序を向上させることが可能です。

管理画面での設定方法
キャンペーン内のサブメニューにある「入札額調整」から設定を行います。オーディエンスタブからAMCで連携されたオーディエンスを1つ選択し、0%から900%の間で入札額の強化率を設定してください。例えば、強化率を200%に設定すると、通常100円の入札額が該当オーディエンスに対しては300円として入札されます。

この設定はキャンペーンレベルで適用されるため、配下のすべての広告グループに影響することに留意してください。
スポンサーディスプレイ
スポンサーディスプレイでは、AMCオーディエンスを広告の配信先ターゲットとして活用できます。ただし、DSPと異なり、オーディエンスの掛け合わせをスポンサー広告側で行うことはできません。そのため、AMC側で購入ユーザーの除外など、必要なオーディエンスの掛け合わせを事前に実施してから連携する必要があります。
ターゲティングとして活用するという点ではDSPと同様ですが、広告配信システムの違いから以下のような使い分けが予想されます。

よりパフォーマンスに特化したオーディエンスドリブンの配信ニーズには、スポンサーディスプレイを活用することが効果的です。
管理画面での設定方法
スポンサーディスプレイの場合、広告グループのサブメニューにある「ターゲティング」から設定を行います。「ターゲットを追加」をクリックすると、最下部に「カスタムオーディエンス」が表示されます。ここからAMCで連携されたオーディエンスを選択し、入札金額を設定することで広告配信が開始されます。

両プロダクトに共通する注意点
AMCオーディエンスが1つもスポンサー広告アカウントに連携されていない場合、設定メニューが表示されません。そのため、少なくとも1つ以上のオーディエンスを作成してから、スポンサー広告の管理画面をご確認ください。
主なユースケース
1. 新規ユーザーへの配信を強化
多くのECブランドにとって、新規ユーザーの獲得は共通の課題です。従来、スポンサー広告では新規ユーザーへの配信強化が難しい状況でしたが、AMCオーディエンスを活用することでこれが可能になりました。
たとえば、過去180日以内に自社商品を1回も購入していないユーザーをオーディエンスとして作成し、スポンサープロダクトで入札額を強化したり、スポンサーディスプレイでターゲティングすることで、新規ユーザーへの広告配信比率を高めることができます。
2. ブランド広告接触者へのメディアミックス
Fire TVやTVer、Abemaなど、Amazon DSPを活用したブランドプロモーションの実施が増えています。これらクリックできないメディアは認知向上には有効ですが、商品ページへの誘導や商品理解の促進が課題です。
AMCで「ブランドプロモーションを〇回以上視聴完了したユーザー」というオーディエンスを作成し、スポンサー広告で配信することで、動画広告とスポンサー広告を組み合わせたメディアミックスにより、効果を高めることができます。
3. クロスセル
従来のスポンサーディスプレイでは、宣伝対象のASINによって自動的にターゲティングが決定されるため、自社商品間でのクロスセル促進には限界がありました。
AMCを利用することで、「A商品を購入したが、B商品は購入していないユーザー」というセグメントを作成し、スポンサーディスプレイを用いてクロスセルを目的とした広告配信が可能になります。
4. 検索キーワードリターゲティング
AMCでは「自社のスポンサー広告が表示されたユーザー」というセグメントを作成できます。この機能を活用することで、特定のキーワードを検索したユーザーを疑似的にオーディエンス化することが可能です。
検索行動に至ったユーザーは、商品購入意向が高い有力なターゲットですが、スポンサープロダクトでは競争が激しく、上位の広告枠を継続的に獲得することは容易ではありません。そこで、重要なキーワードを検索したユーザーに対してスポンサーディスプレイでアプローチすることで、重要顧客へのリーチを強化できます。
5. 自社ECの休眠ユーザー
AMCには、自社ECサイトなどの1stパーティデータを取り込むことができます。この機能を活用することで、自社ECサイトで過去に購入履歴があるが現在は休眠状態にあるユーザーに対して、Amazonとスポンサー広告を組み合わせた再アプローチが可能です。
ケーススタディ: 新規顧客獲得単価(N-CPA)の改善
ある食品ブランドでは、AMCを利用して「自社商品を未購入のユーザー」というオーディエンスを作成し、スポンサープロダクト広告で入札額を調整しました。その結果、新規ユーザーへの広告配信比率が大幅に向上し、新規顧客獲得単価(N-CPA)が17%改善しました。この事例は、AMCオーディエンスの活用が具体的な成果につながることを示しています。

Ubun BASEのAMCオーディエンス作成機能
Ubun BASEではスポンサー広告への連携に対応したAMCオーディエンス作成機能を提供しています。この機能を使えば、クエリを書く必要はなく、直感的に条件を設定するだけで、精度の高いオーディエンスを作成できます。
具体的なユースケースでご紹介したような活用シナリオは、全てこの機能でカバー可能です。初めての方でも、効率的かつ簡単にオーディエンス作成が行えるため、データ活用に自信がない方にも安心してお使いいただけます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?Amazon Marketing Cloud(AMC)を活用したスポンサー広告配信は、ターゲットに応じた精度の高い広告運用を実現し、マーケティング戦略の新たな可能性を広げます。具体的な設定方法や活用事例を参考に、ぜひご自身のキャンペーンに取り入れてみてください。
AMCの活用は、効率的なデータ分析と戦略的な意思決定をサポートする強力なツールです。まだお試しいただいていない方は、この機会にAMCの機能を使った新しい広告運用に挑戦してみてはいかがでしょうか?

株式会社ウブン PdM of UbunBASE
2007年に株式会社オプトに入社し、金融業界向けインターネット広告の提案・運用を担当。株式会社電通に出向し、大手ナショナルクライアントのデジタルメディア戦略の立案と実行に従事。2012年にオプトに帰任後、DSPや広告効果測定ツールのプロダクトマネージャーを歴任。グループ会社のスキルアップビデオテクノロジーズでは取締役として動画広告のアドテクノロジー事業を推進。2020年に株式会社ウブンに参画し、Amazon広告の自動化ツール「Ubun BASE」を立ち上げ、開発とマーケティングを統括。